受託ソフト開発の売上と総原価は、完成時に計上されるのが常ですが、会計基準が変更され、来年度からは開発途上であっても、決算時に一部を計上しなければならなくなります。その準備のため、工事進行基準と名を打つセミナーが賑わいを見せています。昨日、そのひとつに参加し、工事進行基準にEVMというプロジェクト管理手法が有効でないかと考えてみました。
開発途上にその時点までの売上げと総原価を算出できるでしょうか?完成時にはこの両者は確定しますから、決算時点では、これらを見積もることになります。この見積値に決算時点での進捗率を掛けることになるでしょう。これでいいんです。会計基準もそうなっています。ここで問題は、正確に見積もれるかです。
正確な見積もりを行うために、EVMという手法が有効そうです。これを説明してみます。
まず、完成時の売上ですが、これは契約等に依存し、ここでは契約で確定しているとします。
次に、完成時の総原価に対しては、EVMではEACと称しています。EACとは、そのものずばり、完成時点でのコスト見積もりです。
問題は進捗率です。会計基準では原価比例法を採用し、決算時点での発生原価を必要とします。多重外注構造であれば、この算出は相当面倒そうです。EVMを採用していれば、進捗率をEV/BACとして算出できます。ここで、EVとは決算時点までの出来高を意味し、BACとは完成時の出来高総額を意味します。
出来高とは作業成果を金銭価値で表現したものであり、もともと進捗管理のためのものです。原価実績を把握できなくても、把握できる特性を持っています。
まとめてみると、EVMを採用して次のように工事進行基準に対応します:
1)計画時にBACを見積もる。これが仕様変更等で変わるので、実際は複雑になりますが、ここでは触れません。
2)決算時点でEACを見積もる。というより、常時、EACは再評価されていて、決算時点でのEACを採用することになるだけ。
3)EVも同じように、常時、算出されていて、決算時点でのEVをもとにして、進捗率を求める。
というようにすっきりとまとまりますが、問題はEVMを実施する能力があるか。
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